プロジェクトの始まりは2012年に遡る。 サン・パトリニャーノは、ワイン評論家や専門誌から高い評価を得ているワイナリーで、醸造を担当するのは、イタリア醸造協会会長でもあるリカルド・コタレッラ。彼と私たちが食事を共にするなかでの、何気ない会話がきっかけとなり、プロジェクトは動き出した。 まず、コタレッラが選んだブドウは日本固有の品種「甲州」であった。日本の気候や土壌、様々な条件や食材との相性を踏まえたうえで、このブドウに秘められた大きな可能性を直感的に見いだした。そしてこのプロジェクトにおいて何よりも重要だったのが、彼と私たちの想いを実現することのできる醸造施設を探すことであった。何社もの施設を訪れ、大和葡萄酒の萩原社長に協力をお願いすることになる。コタレッラの愛弟子であるニコラ・タンティーニも醸造に加わり、日本とイタリアの醸造方法論の違いに戸惑いながらも、イタリア人の情熱と日本人の探究心によって、新しいタイプの甲州ワイン「First Bottle」が2014年リリースされた。 そして今、北海道余市郡余市町で新たなプロジェクトが動き始めている。「コメント提供:株式会社 オーバーシーズ」